2014年11月29日土曜日

ギャスパー・ウリエル主演映画『ハンニバル・ライジング』の感想メモ

ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション [DVD]
ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション [DVD]
『ハンニバル・ライジング』(Hannibal Rising)
2007年 アメリカ・イギリス・フランス合作映画
監督:ピーター・ウェーバー
脚本:トマス・ハリス
原作:トマス・ハリス
製作:ディノ・デ・ラウレンティス、マーサ・デ・ラウレンティス
タラク・ベン・アマール
製作総指揮:ジェームズ・クレイトン、ダンカン・リード
音楽:アイラン・エシュケリ、梅林茂
〔出演者〕
ハンニバル・レクター:ギャスパー・ウリエル
レディ・ムラサキ:コン・リー
グルータス:リス・エヴァンス
ドートリッヒ:リチャード・ブレイク
コルナス:ケヴィン・マクキッド
ミルコ:スティーヴン・ウォーターズ
ポピール:ドミニク・ウェスト
ハンニバル・ライジング (映画) - Wikipedia - ウィキペディア
※ネタばれします・・・
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ハンニバル・レクターの幼少期と青年期を描いた作品・・・

ハンニバル・レクターがいかにして『人の道を外れたのか・・・』
『屈折したのか・・・』『こじらせたのか・・・』『モンスター化したのか・・・』
『中2病的(?)になったのか・・・』
その原点が明らかになる映画です・・・

映画自体はよくまとまっていて↓
観ている時は結構面白い作品だなぁと感じていたのですが、後々よく考えてみると↓
やはり都合が良すぎる部分、???部分が少なからずあるなぁという感想がわいてきます・・・

例えば、
ハンニバル・レクターはあの要塞みたいなグルータスの大豪邸にどうやって進入したのか?
なんでスチーム室にいるの?
自ら仕掛けた時限爆破装置みたいなのが爆発して、あわやという場面で
事なきを得たけれども(完全に押さえられていつ殺されてもおかしくなかった)
これは計画通り???なのか?
その直後にレディ・ムラサキが誘拐されているということは、やはり計画は失敗
に終わったということを意味しているのだろう・・・

いくら若いからといってハンニバル・レクターが『失敗』していいものだろうか?


なんだかんだで
いつも相手が先に手を出してきている・・・↓
ハンニバル・レクターの行為はすべて正当防衛に当たるといえるのかもしれない・・・

というか、『復讐の仕方』がわりと行き当たりばったりで、(なんで相手が
先に命を狙うスキが存在しているのか)あわやというシーンも
結構あったわけで・・・

レディ・ムラサキの助けがなければ一体どうなっていたことか・・・

ハンニバル・レクターの若さ(稚拙さ)が出ているといえばそれまでですが・・・
もっと完璧に圧倒的な強さでもって復讐をはたしてほしかった・・・と思いました。


個人的な考えですが・・・↓
ハンニバル・レクターの人格が完成するまでにもっと
社会的な病理というか、もっと現代的な精神抑圧みたいな要素、人間の
異常心理&心の闇に対する謎解きみたいな要素がもっと絡んでいたら
もっとイイ感じに重みのある狂気映画が仕上がっていたんではないか?という
感想を持ちました・・・

↑・・・これ、ニュアンスを言葉にするのは難しいんですが・・・

なんていうかこの『ハンニバル・ライジング』という映画は、
わりと素直にハンニバル・レクターの行動心理が飲み込めてしまうのです・・・
『ハンニバルがそうなってしまっても仕方がない』っていう共感・・・
異常であるはずのハンニバル・レクターを簡単に飲み込めてしまう・・・重みも
恐ろしさもまったく感じないのです・・・

もうちょっと飲み込みづらい・・・受け付けがたい常人には理解できないよう
な要素があった方がよりリアルで重くて良い作品に仕上がっていたの
ではないだろうか?
と、(具体的にどうすればいいのかは置いといて)そういう風に思いました・・・


『想い出は常に美しい』ではないけれど、
ハンニバル・レクターの青年期がイケメンすぎて笑ってしまいました・・・
結構イケボだし・・・『ギャスパー・ウリエル』。なかなか良い配役だと思いました・・・
THE LAST DAY [DVD]


この映画を観ていて
奥崎謙三の『ゆきゆきて、神軍』(1987年、 原一男監督、疾走プロダクション)を
思い出しました・・・

戦争によって人生を狂わされた人っていうのはやはりたくさんいるんだろうな
と思いました・・・(今現在もそういう人は世界中に少なからずいるのだろう・・・)
奥崎謙三 - Wikipedia


レディ・ムラサキ(紫夫人)
最初、コン・リーが登場してきた時、役の設定が中国人だと思ったのですが、
後に日本人だということがわかってビックリしました・・・

ハンニバル・レクターの人格形成に日本人が影響していたとは・・・

鎧兜を前に正座して、なぞの日本的儀式・・・

日本に関する描写がどこかおかしいという風に感じました・・・
というか当たり前のように海外風にアレンジされている・・・
外国人が好む寿司が日本人の好む寿司とは違うのと同様に、この映画でも
普通に外国人好みに改変されている・・・これはもう仕方がない、
避けられないことなんだろうなと・・・そういう風に感じました・・・


ハンニバル・レクターの配役について・・・
Prokofiev: Peter & the Wolf
Prokofiev: Peter & the Wolf
デビッド・ボウイ好きの私としては、若かりし頃のデビッド・ボウイにも
この役を演じてほしかったなぁ・・・と思いました。

タイムマシンがあるわけではなし、まあ無理な相談なんですが・・・


記憶を蘇らせるために
自白剤を自分自身に打つっていうハンニバル・レクターの発想が凄い・・・
レコーダーかビデオカメラで自分の姿を記録しておかないと、自分で何を
告白したかわからなくなるんじゃないかとちょっと心配していたのですが・・・
なんのことはない普通に記憶がよみがえっただけで、あっさり次の展開へ・・・


クライマックス(船の中)・・・
ハンニバル・レクターがグルータスに止めを刺そうとするシーン。

レディ・ムラサキがナイフで侵入者の喉元を一撃で刺した直後に
「止めて」とハンニバルの凶行を止めさせようする場面があるのですが・・・

↑・・・ちょっとこけそうになりました・・・
今さっき、ナイフで侵入者の喉元を一撃で刺したのは、あなたではないか・・・
まさに「お前がいうな」のタイミング・・・

↑その後やってくる
レディ・ムラサキとハンニバル・レクターが別離するシーン。
離れていこうとするレディ・ムラサキに対して、
ハンニバルは突然愛の告白をする・・・
(これもタイミングがどうなんだ?と突っ込まざるをえませんでしたが・・・
まあでも、後で改まってというのもなんですし・・・ここしか・・・なかったのかもしれません・・・)
レディ・ムラサキは『あなたに愛に値するものがある?』と言って去ってゆく。


クラリスの中にミーシャの姿を見たのか?
或いは、ハンイバル・レクター自身の姿を見たのか?
『羊たちの沈黙』に登場したジョディ・フォスターは本当に可愛かったなぁ・・・
羊たちの沈黙(特別編) [DVD]
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私は『羊たちの沈黙』という映画が相当好きで・・・
(今までに観た映画の中でも、『面白かったランキング』かなりの上位に入ります・・・)

自分でもなんでこんな異常な(気持ち悪い?)映画が好きなのか、
10代の頃はよくわからなくかったのですが、
どうやら私自身も過去(人生において)屈折するような出来事があり・・・
それが原因でこういう異質なものに共鳴するような体質になってしまって
いるのだということを20歳ぐらいの頃になんとなく自覚するようになって・・・
20代後半ぐらいまでは、世間一般的に
そういう異端で屈折した人間はとても少ないのだろうという風に思っていたの
ですが、30歳を超えるころにはそうでもないんじゃないかとその認識を改める
ようになりました・・・

世の中には『屈折している(こじらせている)』人間がたくさんいる・・・
(はたから見るとちょっとわかりにくいんですが)
むしろ、ほとんどの人が何かしらおかしい部分を持っているのではないかと・・・

失われた20年もとい30年を迎えようとしている日本が『ま と も〔正常〕・・・』とは
ちょっと言えないのではないかと・・・