2015年4月29日水曜日

松田優作主演映画『蘇える金狼(1979年)』の感想メモ

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映画『蘇える金狼(よみがえるきんろう)』
1979年8月4日公開
監督:村川透
脚本:永原秀一
原作:大藪春彦
製作:黒澤満、柴垣達郎、伊藤亮爾
製作総指揮:角川春樹
配給:東映
【出演者】
朝倉哲也(東和油脂 経理部 社員):松田優作
永井京子(小泉の愛人):風吹ジュン
小泉(東和油脂 経理部長):成田三樹夫
金子(同社 経理次長):小池朝雄
竹島(同社 専務):草薙幸二郎
石井(興信所 所長):岸田森
桜井光彦(鈴本の甥):千葉真一
音楽:ケーシー・ランキン
主題歌:前野曜子『蘇える金狼のテーマ』
蘇える金狼 - Wikipedia
松田優作 - Wikipedia

※ネタバレします・・・
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(たしか高校生ぐらいの頃だったかな・・・?)初めてこの映画を見た時・・・↓
株式会社東和油脂のサラリーマンとして普通に働いているときの朝倉(松田優作)のカツラ姿があまりに不自然だったので(ヘルメットみたい)、思わず笑ってしまいそうになったのを覚えています・・・
あのこんもりカツラ黒縁メガネ姿は凄いインパクトがあると思います・・・

※おそらく今回が3回目ぐらいの鑑賞になると思うのですが、映画の内容をほとんど忘れてしまっていました・・・というか、後の映画作品『処刑遊戯』『野獣死すべし』とごっちゃになって記憶していました・・・


映画の冒頭にあった出演者紹介クレジットを見て、
ドラマ『探偵物語』に出演しているそうそうたる面々が名を連ねていることに喜びを覚えました・・・
(自然と笑みがこぼれる・・・テンションが上がりました)
※ドラマ探偵物語は、1979年9月18日から1980年4月1日まで日本テレビ系列で全27話が放送されたテレビドラマ。
探偵物語 - Wikipedia
なるほどだいたい同じ時期に撮られたものなのかぁ・・・
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★探偵物語に関して・・・私は2010年頃に(テレビの深夜再放送を録画したものを)はじめて全話鑑賞しました。
笑いあり、アクションあり、人情あり、悲劇あり、ミステリーあり・・・
ところどころぐだぐだ感あり・・・めちゃくちゃ面白いドラマだと思いました・・・


強奪した1億円のナンバーが控えられていたからといって
だから何なんだ!?・・・とちょっと思ってしまったのですが・・・↓
そっくりそのままを金融機関等に預けることはできないかもしれないけれど、
実社会(実生活)において
使おうと思えば、普通につかえるんじゃないのか?
例えば何処かのレストランで食事して1万円払って
おつりを貰ったとして・・・その1万円の紙幣が何処を流通してきたものかなんてわかるはずもないし、その1万円が実際当局にチェックされることなんて天文学的数字の確率でありえない出来事だと思うのですが・・・
まとまって大きな買い物はできないかもしれないけれど、
細かく1~5枚ずつぐらいで使えば、絶対にばれないのではないかと?
↑・・・なんとなく、そう思いました・・・


ゴルフ練習場(打ちっぱなし)でのコントじみたナンパのテクニックが
とても面白かったです・・・
ボールじゃなくてゴルフクラブの方を打ちっぱなす・・・
このナンパ方法・・・リアルでそれなりの容姿で清潔感がある人が実行すれば、今でもそれなりに成功することができるんじゃないかと・・・そんな気がちょっとしました・・・
この辺の独特のユーモア(色褪せない遊び心)が松田優作出演作品ならではの愉しさなんだろうなぁと思いました・・・


取引場所(要塞のある孤島?)・・・パチンコ(飛び道具・おもちゃ)で相手の手下の人間を失神?(さつがい?)させる・・・そんなばかな・・・
あんなに沢山の手下を殺傷しておいて、今更、改めて取引する理由(ポリシー)がわからない・・・
白い粉の方も強奪すればいいんじゃないのか・・・
どんな美学だろうか?

それにしてもこの取引場所(要塞のある孤島?)のロケーションがカッコイイ・・・
アニメ『ルパン三世』とかに登場しそう・・・正に悪の一味のアジトっていう感じする場所・・・

この映画で使われている建物(企業ビルやマンション)、廃墟、遊園地、石炭埠頭等・ロケーションがいちいちカッコイイ・・・(古い趣のある佇まい・・・)
ハードボイルドなイメージにこだわっている感じが伝わってきます・・・

登場する車もシブイというか、
ランボルギーニ・カウンタックは格好良すぎです・・・
AUTOart 1/18 ランボルギーニ カウンタック ウォルター・ウルフ (レッド)


岸田森(秘密興信所の石井)の味のあるキャラ(演技)を見てるとテンションが自然に上がってきます・・・
不死蝶 岸田森
岸田森←個人的に妙に心惹かれるものがあるのです・・・画面に岸田森が映っていると、どうしても岸田森ばかり目で追ってしまいます・・・なんなんでしょうかこの感覚は?
岸田森 - Wikipedia


殺し屋が間違って同士討ちをしてしまう、撃たれた殺し屋(福田)が探偵物語
第9話『惑星から来た少年』に出ていた香港のマフィア役?バラモン星人役の人と同一人物だ!・・・気付いた瞬間、妙にうれしくなる・・・
トビー門口 - Wikipedia


「ほおぉ、朝倉君がボクシングを?」
朝倉哲也(松田優作)が使っているボイスチェンジャーが受話器にハンカチ巻いただけの昭和アナログ仕様だったのが←ちょっと面白かったです・・・

それにしても、こんな釣り針(誘い)にひっかかってすがってしまうとは・・・
この展開、ちょっと無理があるような気がしました・・・
いくらボクシングをやっているからって、いくらプロ級だからって、(それだけを理由に)
自分の会社の部下(素人)に殺しを依頼するだろうか?

「その拳を会社のために役立ててほしいと言ったら?」

↑・・・とんでもない漫画展開にちょっと吹き出しそうになってしまう・・・


「7000万・・・利子だけで一生暮らしていけるじゃないか・・・」

ゼロ金利政策が続く現在(2015年)では考えられないようなセリフ・・・時代を感じます。


赤いランボルギーニ・カウンタックを納車する男を演じているのがなんと
監督の村川透(この映画の監督)らしいのですが・・・
私、はじめて見ました・・・意外と若い・・・村川透といえば私にとってはドラマの「あぶない刑事」なのです。

※ちなみに沢野(ボクシングの目蒲ジム・トレーナー役)を演じているのが→角川春樹らしい・・・


暗い自室、上半身裸にジーパン姿で奇声を発して暴れる朝倉哲也(松田優作)。
≪成功に打ち震え喜びまくる≫

赤いランボルギーニ・カウンタックに乗って街を疾走する。
運転しながら高笑いする朝倉哲也(松田優作)の姿が非常に印象的・・・

ただ、このとき一瞬「刺されるんじゃないか」という思いが私の脳裏によぎりました(いわゆるフラグがたった)・・・そういうオチを期待している自分がいました。

そして、実際に刺される展開へ・・・

女は勝手に裏切られたと思い込み、絶望し男を刺してしまった・・・だが、朝倉哲也(松田優作)は裏切るつもりは無かった(女の分の航空券も所持していた)・・・

このまま映画はフェードアウトするのか?
女と共に朝倉哲也(松田優作)も死んでこのままエンディングだ・・・と思っていたら、

なんと次のシーンで、空港を颯爽と歩く朝倉哲也(松田優作)姿が・・・!

どないなっとんの?
探偵物語と同じようなラストにするつもりか?・・・と思っていたら、

今度は派手にずっこける朝倉哲也(松田優作)・・・
『刺された設定は有効のままなのか・・・』

飛行機内での椅子越しに映る松田勇作の青白い顔の表情が秀逸・・・
ぶっちゃけこわい・・・
こういう表情ができる演技力の幅はさすがという感じがする・・・
まさに顔面蒼白(死にかけの表情)・・・
この映画、最大の見せ場です。ほんとうに覇気のない(草食系の?)顔になってしまっている朝倉哲也(松田優作)・・・

「ねぇジュピターには何時につく?」
「木星には何時に着くんだよ」

あんなにハードに現実的な利益だけを追求して来た逞しい男の物語が
こんな不思議系ファンタジーオカルトな終わり方をしても良いものだろうか?

めちゃくちゃ変な終わり方・・・
こんな終わり方だったっけか?と古い記憶をたどって戸惑いました・・・

ただ、なんとなく80年代っぽい(’79年だけど)雰囲気を垣間見たような気がします・・・

これはこれでとても良い終わり方だったのではないだろうか?とそう思いました・・・
意味不明・・・だけど妙に納得させられるものがある。(ホントに良いものを見たという気持ちになりました・・・)

ラスト・・・『終わり』というクレジットの横に並ぶお面(マスク)がとても印象的でした・・・


ちなみに飛行機内で、朝倉哲也(松田優作)の様子のおかしさに気付き
オロオロうろたえていたキャビンアテンダントがまさかの中島ゆたからしい・・・
↑・・・この女の人を探偵物語で初めて見たときなんて綺麗いな人なんだと思いファンになりました・・・
ちょい役だけど、また見れてよかったぁ・・・