2016年2月16日火曜日

大泉洋・戸田恵梨香・満島ひかり主演映画『駆込み女と駆出し男』の感想メモ

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『駆込み女と駆出し男』
監督:原田眞人
脚本:原田眞人
原案:井上ひさし『東慶寺花だより』
製作:榎望、升本由喜子、住田節子
製作総指揮:大角正
音楽:富貴晴美
【出演者】大泉洋戸田恵梨香満島ひかり、内山理名、陽月華、キムラ緑子、木場勝己、神野三鈴、武田真治、北村有起哉、橋本じゅん、山崎一、麿赤兒、中村嘉葎雄、樹木希林、堤真一、山崎努
(2015年5月16日公開 松竹)
駆込み女と駆出し男 - Wikipedia
井上ひさしの小説『東慶寺花だより』を原案とした映画作品。江戸時代、幕府公認の縁切寺とされた東慶寺を舞台にしている。
ネタバレします
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映画を見終わった直後は→とりあえずハッピーエンド?ということもあって、それなりの爽快感を覚え、なかなか面白い映画だったなぁ~と一応は感心したのですが・・・ただ観ている最中はわりと疲れたというか退屈したというか、(あまりワクワクするような展開もないので)けっこうダレました・・・


映画の中盤ぐらい・・・この物語は一体何が言いたいのか?よくわからない映画だなぁと思いながら観ていました・・・
何が目的(主題・テーマ)なのかがよくわからなかったです。
前情報一切なしの状態で観たのですが・・・
主人公は大泉洋なのかそれとも満島なのか?戸田なのか?
東慶寺を舞台にした当時の世相(出来事)がテーマなのか?
結局、恋愛映画だったのか?

最初は溝口健二監督映画的などん底不幸女をメインにおいた悲しい映画なのかなぁと予想していたのですが・・・
その虐げられた女の悲しいエピソードを→戯作者見習いの大泉洋がひとつの物語にまとめあげ→出版→江戸で大ヒットさせるみたいなそういうおはなしだと思っていたんだけど・・・全然違いました・・・

なんか取り留めの無い物語というか・・・
原作の『東慶寺花だより』という若干ほんわかしたタイトルが、まさにしっくりくる内容のおはなしでした。
東慶寺花だより (文春文庫)
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東慶寺ってなんだかまったりのんびりしていて良い所だなぁ~と思ってしまいました。非常に恵まれた環境なんじゃないか?
自然に囲まれているし、わずらわしい世俗から守られている感じもするし、ある意味楽園・・・
それほど悲壮感がある人もいないし、みんな和気藹々楽しそう・・・


ニコニコ生放送で岡田斗司夫がこの映画が面白かった的なことを話していて・・・それでこの映画を観てみようと決心しました。岡田斗司夫はそれまで大泉洋のことをあまりよく知らなかったらしいのです・・・この映画での大泉を見てなかなかやるなぁとある一定の評価をくだしたらしい。
私は一応、10年以上前から水曜どうでしょうのファンなので、大泉洋に対してこいつ何者だ?とか嫌悪感(苦手意識)とか、そういう感じの感情は一切持ち合わせていませんでしたが・・・
自分はこの映画における大泉洋って、そんなに良かったかなぁ?と・・・どのヘンを良く感じたのだろう?と・・・岡田斗司夫の発言「大泉なかなかやる」をちょっと不思議に感じてしまいました。

別に大泉洋の役どころ、演技等、全然悪いとは思いませんでしたが・・・岡田斗司夫がどこを見て大泉洋を良いと思ったのかがイマイチよくわからなかったのです・・・

↑・・・もしかしたら『水曜どうでしょう(バラエティー番組)』での大泉洋のイメージが邪魔して、大泉の芝居というか役柄・人物をあまり良いと(私は)感じなかったのかもしれません・・・

『水曜どうでしょう』を観ていると→どうしても大泉洋に馴染み(身内意識)を持ってしまうので、
その大泉洋が芝居(100%嘘のつくった表情)をすると、ヘンに白々しく感じてしまうのかもしれません・・・
どうでしょうのむきだし生のイメージが無意識で邪魔しているというのはあると思います・・・
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大泉洋(中村信次郎)
なんというか・・・駆出し男というわりに駆出し感(若い未熟な雰囲気)がちょっと足りないような・・・そんな感じがしました・・・
あと5年ぐらい大泉洋が若ければ・・・もっと役にマッチしていたんじゃないだろうか?と思いました・・・

あと、顔(容姿)が若い頃の欽ちゃん(萩本欽一)にめちゃめちゃ似ていると思いました。
天才コメディアンみたいな雰囲気(オーラ)がある容姿だと思いました・・・
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この大泉洋演じるところの中村信次郎というキャラの性格がイマイチよくわからない・・・と思ってしまいました。

できる男なのかできない男なのか?
無職なのか?働いてるのか?
短気なのか、穏やかな気性なのか?
本当によくわからない・・・

オープニングの大泉洋(中村信次郎)が初めて登場するシーン
鼻歌を歌いながら路地裏を歩いている(妙にしたり顔の大泉)
質素御倹約之儀の立て札掲示
「楽しい事は全部悪いことかい!?」
と大通りで叫んで役人に追っかけられる・・・(なんと大胆でやんちゃな性格)
この冒頭のエピソードとタイトルの駆出し男から・・・↓
私はてっきり大泉洋(中村信次郎)のキャラは『遊び人』だと思ってしまったのです・・・

↑・・・だけど実際は違いました。映画を最後まで観るとわかりますが所謂『遊び人』ではないです・・・

風呂場で馬琴先生の悪口をいう男とケンカする中村信次郎・・・
沸点が低いというか、キレる理由もよくわからない・・・(馬琴のためにキレたんじゃなく「とんちきはっつけ」のワンフレーズを言われてキレる・・・)
我慢に我慢を重ねてキレたという感じでもないし、本当に気が短いと思いました・・・

おせんを取り戻しに来たヤクザもん相手に口からでまかせハッタリをかますシーンも
普段大人しい人間がアレをやるからギャップが出て面白いわけで・・・オープニングでいきなり集団の中でひとり大声で文句を言ったり、風呂場でケンカするような奴がアレをやっても効果半分だと思ってしまうのですが・・・

キスシーンもなんだかなぁ~と思いました。
↑『わざとらしい』と思いました。
いかにも奥手な感じを演じてますよ~と・・・ていうか好き同士がやっとキスしたぁ~みたいな感動が全然なかったのだけど・・・(微笑ましいシーンではあるが)いまいち盛り上がらない・・・

鯵売りの女おみつ(姉)と感動の再会シーン
雪の中で3人泣きながら抱き合ってる姿を遠目で見守りながら・・・↓
よく聞き取れない日本語の歌を大泉洋が歌出だす(これでもかと『ええ顔』をしながら・・・)・・・???

普通歌うかね?(と、つっこみを入れてしまいました)・・・もらい泣きはするかもしれないし、辛かった日々に共感してぐっとシブい表情をして遠くから見守ることはあるかもしれないけど・・・歌うかね?
↑これは演出の問題かもしれないけど・・・

中村信次郎という人物←ちょっとよくわからないと思いました。イマイチ馴染めないキャラだなぁと思ってしまいました。


冒頭の川のシーン(船から荷降ろしをしているシーン・・・)
ここが異常に美しかったのですごく印象に残っています・・・どこで撮影したのだろうか?こんな見事な時代劇空間(映像は)なかなかないんじゃないだろうか?

あと東慶寺の雨水のしずくでできた緑色の植物(コケ?)の穴・・・すごく良いと思いました。


馬琴先生のくだり・・・
みんながご飯をたべながら楽しそうに話す馬琴先生の話がどうでもよすぎてちょっとシラケました・・・なんだかわざとらしいし団欒・・・さぞ面白い話をしているみたいな雰囲気作り(演出)がちょっとイヤでした。
↑・・・このシーンを観ている時、ラストシーンで馬琴先生が登場すると全く思わなかったので、本当に蛇足な場面だなぁと思ってしまっていました・・・
曲亭馬琴 - Wikipedia
南総里見八犬伝 - Wikipedia
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馬琴さんは窓の外の赤い柿を見ていた?
寂滅(じゃくめつ)の景色
じゃくめつ 【寂滅】
1、煩悩の境地を離れて、悟りの境地に至ること。悟りの境地。


背中に浮世絵の絵を描かれている女の人は・・・
浮世絵の芸妓=澤村レイコなのか・・・
なんか浮世絵の絵柄が微妙だなぁと思ったのですが・・・
もうちょっとゴージャスな(緻密な)絵柄にすればよかったのに・・・


現代語と古語が入り混じったセリフが多いためか、
にわかにセリフ(時代劇ならではの古い日本語部分)が頭に入ってこない・・・
何を言ってるんだ?そう思う場面がけっこう多かったように感じました。
慣れてくると何を言っているのかわかってくるんだけど→時代劇あるある(私はよく時代劇を観るのでよく経験するのですが・・・聞き取れないものは聞き取れないとあきらめて雰囲気だけ楽しむことにしています→その方がストレスを感じなくてすむ・・・)


満島ひかり(お吟)
日本橋の金物問屋 堀切屋三郎衛門の妾(めかけ)
めかけなの?お吟・・・
もう5年ぐらい歳をとった満島ひかりでこの役を見たかったなぁと思いました・・・
この役を演じるには少し若すぎるような・・・そんな気がしました。

私が最初に満島ひかりを知ったのは『愛のむきだし』という映画でした。←あの映画を観てこの女優さんは他とはちょっと違うオーラのある女優さんだなと思いました。
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満島ひかり・・・顔小さい、首太い。


堤真一(堀切屋三郎衛門)「いきは吉原女郎衆を褒めちぎる時の言葉だ」
↑本当なのか?・・・初耳でした・・・
いき - Wikipedia
江戸時代後期に、江戸深川の芸者(辰巳芸者)についていったのがはじまりとされる。身なりや振る舞いが洗練されていて、かっこうよいと感じられること。(←なるほど・・・本当だ・・・)

大泉洋(中村信次郎)「あだっぽさ・・・あだにこだわっている」
「あだ・・・あだばなのあだ・・・咲いて散って・・・」

あだばな【徒花】
実を結ぶことなく、はかなく散り去る花

いや、それにしても・・・大泉洋(中村信次郎)から『お吟が東慶寺に駈込んだ本当の理由』を聞くまでの堤真一(堀切屋三郎衛門)の疑いぷり&激怒ぶりが凄まじすぎて・・・若干「う~ん・・・」ってなってしまうのですが・・・(信頼関係はなかったのかと・・・)


戸田恵梨香(じょご)
う~ん、冒頭あたりの東慶寺に駈込む前、虐げられて絶望していた時の演技(顔の表情)がちょっと違うような気がしました・・・↓
もっと表情がシンデいてもいいような・・・
悲しみ、メンヘラ臭、絶望感がまったく足りていないような・・・
なぜか目がキラキラしているのです。ぶっちゃけ普通に可愛い、キリっとしている・・・←めちゃくちゃ違和感を覚えます・・・
戸田恵梨香が中森明菜(90年代はじめぐらいの時期の)に見えました(似てるなぁ~)

戸田恵梨香(じょご)が東慶寺で仲間に頭突きをかまし、薬草畑でメモを取るシーンを見て・・・宮廷女官チャングムか?っとつっこんでしまいました・・・(じょごの立身出世物語?)

いつもいつもありがとう
べったべった だんだん

※いつも=べった だんだん=ありがとう 出雲地方の方言(島根)らしい・・・


メリケンサック・・・カイザーナックル
ナックル ゴールド
↑中学生の頃めちゃくちゃほしかったのを思い出しました・・・
「リングにかけろ」というボクシングの漫画があって、それを中学のころ全巻友達から借りて読んだのですが→その漫画にメリケンサックが出てくるのです。主人公がこれを使ってコンクリートの電信柱をパンチでボキッって二つに折っていました・・・(←若干、記憶があやふやですが・・・)
リングにかけろ 全15巻 (コミック文庫)
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武田真治(重蔵)・・・イイキャラクターだなぁ~と思いました。
気の小さいろくでなしの男を見事に演じています。
映画の終盤・・・この男が見事に公正してしまっていることになんとも言えない違和感を覚えました・・・
こういうキャラの男って公正することあるのかなぁ?
(現実では)ずっとクズのままだと思うのですが・・・じょごに付きまとうストーカー状態になって大泉洋との幸せな生活を潰しにかかる展開はないのか・・・


戯作 - Wikipedia
戯作(げさく、ぎさく、けさく、きさく)とは、近世後期、18世紀後半頃から江戸で興った通俗小説などの読み物の総称。戯れに書かれたものの意。明治初期まで書かれた。戯作の著者を戯作者という。


五辛(ごしん)五葷(ごくん)
にんにく にら ねぎ あさつき らっきょう
五辛酒魚禁止の二年


「労咳(ろうがい)には朝鮮人参と陳皮(チンピ)を煎じた養栄湯(ようえいとう)が一番です。」
結核 - Wikipedia
日本では、明治初期まで肺結核は労咳(癆痎、ろうがい)と呼ばれていた。


はちみつ浣腸・・・
「やってください!」
でも見てはいけません
まさかあんなボケが待っているとは・・・
普通に笑ってしまいました・・・
「そこ違う」
コントだった・・・


東慶寺に進入したならず者・田の中勘助(松岡哲永)を最後やったのはじょご(戸田恵梨香)なのか?
なんでじょごが仕留める脚本になったんだろう?
内山理名(戸賀崎ゆう)があだ討ちとして、矢を射れば良かったのではないか?
そうすると話としてうま過ぎるからだろうか?(←どっちでもいいといえばどっちでもいいけど・・・)


ラスト
馬琴「今度はどんな男だい?」
じょごは男ができるたびにここへ連れて来ていたのか?
余計な事を言う馬琴・・・
じょご「強味(きつみ)と渋味(しぶみ)はちょんぼしだけど、素敵(の?)な男です
↑・・・なんとこの最後のフレーズがオリジナル・サウンドトラックのタイトルになっている・・・↓
強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です
強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です
「駆込み女と駆出し男」オリジナル・サウンドトラック 富貴晴美