2016年7月13日水曜日

金子正次主演映画『竜ニ』の感想メモ

竜二 Blu-ray デジタルリマスター版
竜二 [DVD]
映画『竜二』(1983年10月29日 公開)
監督:川島透
脚本:鈴木明夫
出演者:金子正次永島暎子北公次佐藤金造、もも、岩尾正隆、菊池健二、小川亜佐美、銀粉蝶、高橋明、笹野高史、檀喧太、土方鉄人、泉アキ
主題歌:萩原健一「ララバイ」
竜二 (映画) - Wikipedia
★『竜二』(りゅうじ)は、1983年公開の日本映画。金子正次主演。
作品内で主人公・竜二の娘・あや役を演じている「もも」は、金子の実の娘であり、現在ラジオパーソナリティー・ナレーターの金子桃である。
※映画内で↑この娘のスナップ写真がアップになったり、(竜二の真似をして)眉間にしわをよせている表情がアップになるシーンがあるのですが、ほんと可愛いです・・・
金子正次 - Wikipedia
※ネタバレします
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初めて観ましたが・・・
なるほど、噂には聞いていましたが・・・確かに長渕剛主演ドラマ『とんぼ』(1988.10.7~1988.11.25)に登場する小川英二というキャラクターにそっくりです・・・似すぎています・・・

こちら(映画『竜二』)の方が先に世にリリースされているわけですから・・・
長渕剛側が参考にしたのは間違いないと思われます・・・
(長渕剛本人の意向なのか、はたまたプロデューサーや監督や脚本をしている人たちの意向なのはよくわかりませんが・・・)

なるほど長渕キックの元祖がこれかぁ・・・
「花の都は大東京」「六尺足らずの五尺の身体」このフレーズはどこかで聞いたことあるなぁ・・・
設定やエピソードがまんまトレースされてるなぁ・・・
なにより声(演技)がまったく一緒なんだよなぁ・・・

※これって、1988年当時、長渕剛のドラマ『とんぼ』が始まった瞬間の『竜二』ファンの反応(心情)ってどんな感じだったのだろうか?
喜んだのか或いはその逆なのか・・・その辺が知りたいです・・・
金子正次と親友だった松田優作はどう思ったのだろう・・・?
※桜金造と笹野高史は、こちらの方にも出演しているみたいですが→『英二ふたたび(1997年、フジテレビ)』、どう感じたのだろう?・・・英二ふたたび - Wikipedia
英二ふたたび&長渕剛ふたたび [DVD] とんぼ オルゴール [DVD]
とんぼ (テレビドラマ) - Wikipedia
とんぼ(1988.10.7~1988.11.25)


この『竜二』という映画、なんとなくタランティーノっぽいと思いました。

下っ端の子分がバーゲンセールで服買って、インスタントコーヒー、クッキーのお菓子、洗濯物を干して、耐震補強して、掃除機をかける、みんなで出産に立ち会って・・・生まれてきた赤ちゃんのためにベランダでタバコを吸う・・・
子分が調子乗って昔の仲間とゴタゴタ→指を切るくっつけるの騒動・・・
銀行員が勝手に勘違いしてビビッてお金を払い出す・・・

↑・・・短い面白いエピソードを重ねてそのしのぎぶり(生活ぶり)を描く手法・・・
★アウトロー(アウトサイダー)な人たちの物語を→ドンパチ(アクション)のある抗争メインで話を作るのではなく→どちらかというとサブ的なユニークな日常会話やトリッキーなエピソードを積み重ねて構成していく手法・・・

今(2016年)となっては、わりとよくある手法、描かれ方なんだけど・・・
当時はなかなか斬新だったのではないかと、そう思うのです・・・

なんというか観ていてちょっとクエンティン・タランティーノっぽいエッセンスがあるなぁと思いました・・・
≪タランティーノのエッセンス=サブカルちっく(メンヘラ要素あり)・・・殺し屋(アウトロー)のマニアックな日常や、変化球なエピソード、ユニークな会話のやりとり・・・それらを積み重ねて構成≫※←最近のタランティーノの手法はどんなのかはわかりませんが、初期はこんな感じでした・・・
タランティーノほどスタイリッシュな感じはないけど→やってることの基礎部分はタランティーノ(初期)と同じだなぁと・・・そう思いました・・・

タランティーノが脚本家・映画監督デビューをはたしたのが「レザボア・ドッグス」(1992年公開)で・・・そして大々的に話題になったのが「パルプ・フィクション」(1994年公開)だったわけですから、
それより約10年も早い段階で→こういうパルプ・フィクションっぽい『新しい映画』を作れる才能が日本にいたなんて・・・
そういえば「パルプ・フィクション」でもアウトローから引退を考えるエピソードがあったような・・・
クエンティン・タランティーノ - Wikipedia
レザボア・ドッグス [DVD] パルプ・フィクション [DVD]


この映画に登場する→1980年代ぐらいの町並みや生活風景を眺めていると・・・妙に懐かしい気持ちになってくるのです・・・
(1980年代←私は子供でした・・・小学生かそれぐらい)↓
UCCの缶コーヒー(ビター味が好きでした・・・)、DAIDOコーヒーの当りつき?自動販売機、ゲートボール(この頃、たしかお年寄りの間でゲートボールが大流行したのを覚えています)、個人的に見覚えのある花瓶、ブラウン管のでかい(立方体の)テレビ(右上にチャンネルボタンが並んでいる)、ガラスの灰皿、CABINのゴミ箱、狭い喫茶店の椅子、花模様のポット、湯沸かし器、すりガラス、サントリーオールド・・・そのほかもろもろの景色・・・


竜二、歯が白いなぁ~・・・オープニングの笑顔が印象的です。
女を見送った後のあの顔の表情はいったい何を表現していたのでしょうか?たいした意味はないのかな?
からの→『ぱぶ大学いも』←これもとても印象的でした・・・


出前持ちに「釣りいらねえよ」と言う竜二の笑顔が素敵です・・・
このシーンだけ一瞬、竜二がダウンタウンの浜田に見える・・・


子供のころ、ルーレットのおもちゃ(結構立派なもの)を持っていたのですが、あんなもの赤か黒しか当たる気がしないのですが・・・
何十回何百回と遊びましたが一度もピンポイントで当てたことがないです・・・

竜二が経営する『裏カジノ』みたいなところ・・・あそこへ遊びに行く客の気が知れないです・・・
金を捨てに行くようなものだと思うのですが・・・


永島暎子(花城まり子役)
永島暎子 - Wikipedia
可愛いし、色っぽいし・・・私が大好きな女優さんです・・・
初めて見たのは↓
松田優作主演ドラマの『探偵物語』第6話「失踪者の影」(1979年)のユミコ 役でした・・・
白いブラウスに赤いスカートの彼女はとても綺麗でした・・・
ほんのわずかな時間しか登場しないのですが←そのシーンを何度も見返しました。
不思議な妖艶さがある人だと思いました・・・はれぼったい目がブサ綺麗・・・かわいい・・・

花城まり子・・・
こんなつつましやかで裏のない女の人って現実には存在しないと思うのですが・・・
↑昔(1980年代)はいたのかなぁ?
メンヘラ的な要素がほぼゼロっていうのがちょっと昭和のマドンナ像っていう感じがします・・・
普通アウトローな人間と関わりを持ち恋愛するような女は、
それなりに本人もアウトローな資質を持っていると思うのです・・・

この映画における永島暎子の無言の演技は本当にすばらしい・・・


テーブルにお金並べて家計簿つけて「はぁ~ほんとに野菜高いわねぇ」
(野菜って、昔から高かったのかよと突っ込みを入れつつも・・・)
↑こんなのを目の前でやられたら竜二がキレるってわかるだろー?って思ったのですが・・・
竜二じゃなくてもキレるかも・・・


この時代の桜金造(佐藤金造:直役)って・・・なんでこんなに魅力的なんだろうか?
↑映画『マルサの女』等伊丹十三映画に出演している時にもそれを感じたのですが・・・
妙に惹かれる『なにか』を持っているのです・・・
画面の中に桜金造がいると無意識でそちらに目が行って、そして後々までその表情が印象に残こります・・・
顔の造形が良いのかな?・・・あと雰囲気(コミカルな感じ・・・)?
特に好き(ファン)っていうわけではないけれど・・・
『この時代の桜金造』は本当に気になる存在・逸材だと思うのです・・・
桜金造 - Wikipedia
※「桜金造」の名付け親は松田優作。
桜金造のTVで言えない怖い話 [DVD] マルサの女<Blu-ray>
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北公次(ひろし役)
北公次 - Wikipedia
男性アイドルグループ「フォーリーブス」のリーダーとして活躍。
※北はステージでバック転を披露した最初の歌手(アイドル)である。(←マジっすか・・・)
暴露本出版を出して話題になった人らしいのですが・・・まったく世代ではないので詳しいことはよくわかりません・・・
光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記
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映画の後半、出世して竜二に会いに来た時の顔つきがとてもよかったです・・・
髪の毛(前髪)を上げて黒いスーツ姿・・・まるで別人みたいです・・・
竜二を睨み返す凄み・・・本当にわるい顔をしているのが良かったです・・・
(演技、演出がすばらしい・・・)


竜二相手に「昔ワルだった自慢」をして、(切れられて)タバコを押し付けられていたのってまさか・・・笹野高史(ささのたかし)!?
この頃からすでに結構老けている・・・!?と思いましたが・・・でも当時40歳ぐらいだから・・・歳相応ではあるのかな・・・
笹野高史 - Wikipedia
1948年6月22日生まれ・・・


あのメンヘラ女(カズの女)の・・・→絵に描いたようなヤバさが良かったです・・・
カジノ場で男(カズ)にべったりしている、手に包帯、水(酒?)を一気飲み、あらぬ一点を見つめるうつろな目・・・爪をかむ・・・かぼそい声、急に切れる、直とも関係を持っているその貞操観念・・・
↑演技・演出が100点満点だと思いました・・・


登場人物各々の人間描写が非常によく出来ている優れた作品だと思いました・・・面白かったです。