2018年1月6日土曜日

高倉健主演映画『君よ憤怒の河を渉れ』感想メモ

君よ憤怒の河を渉れ [DVD]
君よ憤怒の河を渉れ [DVD]
『君よ憤怒(ふんど)の河を渉れ』
永田プロダクション・大映映画株式会社 提携作品
配給:松竹
公開:1976年2月11日
監督:佐藤純彌
脚本:田坂啓、佐藤純弥
製作:永田雅一
出演者:高倉健原田芳雄池部良中野良子、大滝秀治、
西村晃、岡田英次、倍賞美津子、伊佐山ひろ子、田中邦衛、内藤武敏
君よ憤怒の河を渉れ - Wikipedia
※ネタばれします・・・


面白かったです。
とてもダイナミックで漫画チックで大胆不敵な映画。
(結構つっこみどころ満載!!)
1970年代中頃の日本の映画作品では、こういう大胆な表現・演出・展開がけっこう好まれ・・・流行していたのだろうか・・・?
2018年の今見るととても斬新で、考えられないようなシーンが随所に垣間見られる作品でした・・・

★物語のベースは、身に覚えのない罪を着せられた高倉健の逃走劇・・・
途中、クマ(着ぐるみ)に遭遇して襲われ・・・ぶっつけ本番で初めてセスナを操縦して北海道から脱出(本州へ)・・・無事、茨城県大洗海岸海面に着陸・・・
夜の新宿の街を数頭の馬で疾走しながら警察を蹴散らす・・・


※最後まで見て・・・
なんとなくですが和田慎二の漫画『スケバン刑事』(1975年12月~1982年11月)を思い出しました。世界観といいますか、当時の流行、時代の空気・言葉が似ているような・・・

スケバン刑事 (1) (MFコミックス)


いきなり冒頭の『だ、や、ら~の3語だけで構成された』斬新な主題歌にやられました・・・
この映画ただものではない・・・

※最初、主題歌とともに出演者がテロップで紹介されるシーン・・・人ごみ・雑踏の中に『真横から突風を受けたかのような髪型』の少年が映し出されている・・・(7:3じゃなくて、10:0)
↑・・・この髪型がちょっと面白かった・・・

※劇中、シリアスな場面で入る挿入曲が、どこかコミカル・・・
(↑・・・これ、けっこう違和感を覚えるのですが、最後の方はもう慣れてしまっていました・・・)



主演の東京地検検事・杜丘冬人役の高倉健・・・
そして、警視庁捜査第一課・矢村警部役の原田芳雄・・・
それぞれがそれぞれの渋い男臭い役割をきっちり演じていて・・・とても良かった。
伊藤検事正役の池部良も「とにかく事件を穏便に済ませたい」事なかれ主義な感じが、とても良かった・・・(若かりし頃の二枚目さはなくなっていましたが、それでもやはり目元が艶っぽい・・・)


水沢恵子が住んでいたアパートの管理人(役)の『吉田義夫』が良い人役だったので、びっくりしました・・・
(↑・・・時代劇では、いつも悪役をやっていたイメージがあるので・・・)
吉田義夫 - Wikipedia

客が来てお茶をいれるおじいちゃんの所作・・・←妙に昭和っぽくて
懐かしく感じました。


大和田伸也さんがすごく若くてビックリしました。
実は同じ時期にたまたまドラマ『リーガルハイの第1期(2012年)の第4話
(日照権の回)』を見たところで・・・そこでは渋い声の人権派弁護士・大貫善三を演じていました。(しわが結構多かった・・・)


久しぶりに観る大滝秀治・・・娘のことを最優先に考えて
道知事選出馬を断念する良いパパ役を好演・・・
とても個性的で独特の貫禄・存在感があります・・・(関根勤の顔が一瞬頭をよぎる・・・)


サスペンス???・・・
無実の罪を東京地検検事・杜丘冬人(高倉健)に着せて陥れいれようとする
陰謀(完璧な罠)・・・

これ・・・よくよく考えて見ると・・・なんでこんな回りくどいことをするのかという疑問がわいてきます。

杜丘冬人(高倉健)の存在が目障りで・・・嵌めたいのなら・・・こんなことをするより最初っから部屋に進入してお茶等に神経遮断薬AXを盛るか・・・
神隠し(ら致)を企てたり、事故を装って命を狙ったほうが早いような・・・

しかも、でっちあげの強盗等の罪を着せるために証言をした被害者たち両者(水沢恵子・寺田俊明)が実は偽名を使っていて、なんと夫婦関係(横路加代・横路敬二)だったことがすぐばれるという・・・
さらに横路敬二は東南製薬に、東南製薬は朝倉代議士と繋がっている・・・
あきれるほど杜撰な計画・・・

もし、杜丘冬人(高倉健)が家宅捜索中に警察から逃亡していなかったら、早々にきょう言の事実が発覚して、そこから朝倉代議士の不審死事件まで捜査の目が及んでいたかもしれない・・・

いったい何がしたかったんだ?・・政界の黒幕・長岡了介・・・

※しかもこの陰謀の要となる横路敬二の足取りが→ダイトウ建設→せいしん病院(ダイトウ建設は長岡了介の息がかかっている&そしてそのせいしん病院に堂々と車で乗り込む長岡了介・・・)

あまりにもいい加減・・・普通にバレバレ・・・どこが完璧な罠なんだろうか・・・

(↑・・・これ当時見ていた人たちも結構つっこんだのだろうか?)


遠波真由美役の中野良子・・・
※実は、(私事ですが)知り合いの娘(現在2歳)がすごく中野良子に似ていて・・・
画面に中野良子が映るたびに、どうしてもその娘のことを思い出してしまって・・・
気が散ってしかたがありませんでした。
(アメリカのひよこカナリアのアニメ・・・トゥイーティーに似ている可愛さ・・・)
トゥイーティーのめいろだいすき!


若かりし頃の倍賞美津子さんが登場する・・・
『追われている人を助ける・・・街で病気で倒れている人を助ける・・・』
こういう情の深い(ホステス?)キャラクター。
↑・・・現在ではめっきり見かけないような気がします。

事後従犯(じごじゅうはん)・・・「つまり、犯罪者を助けたりかくまったりしていると、あんたも犯罪者になるということだ・・・」


夜の新宿の街?を数頭の馬で疾走するシーンがとても良かった・・・
この映画で一番かっこいいシーンではなかろうか・・・


長岡了介との最終決着シーン・・・
驚くほどあっさりと政界の黒幕・長岡了介(西村晃)の部屋に到達する杜丘冬人と矢村警部と細江刑事、3名・・・

正当防衛!?

あの杖で警部の手を振り払った行為が正当防衛に値するという後付の解釈だろうか?
正当防衛で計4発(?)打ち込む・・・(後日、会議にて、あっさり正当防衛だと認められる・・・事なかれ事なかれ

なんか今見るとめちゃくちゃな展開だけど、この当時はきっとこういうシメで(観客もカタルシスを感じて)良かったのだろうと・・・そういう感じがしました。


ラストシーン
コート姿でサングラスをかけポケットに手を突っ込み
堂々と通りを歩く高倉健と中野良子が格好良かった・・・
これまでずっとコソコソ逃げていただけに、なんか妙に晴れ晴れしていて気持ちいい・・・
(これから2人は何処へ行くのだろう?とりあえず北(北海道)か・・・)